排他的経済水域と大陸棚
こんにちは。
今日は社会の話題です。
沿岸から200海里(1海里は約1852m)の水域で,領海を含まない範囲を「排他的経済水域」といって,水産資源や鉱産資源を管轄する権利が沿岸国に認められています。
この経済水域の問題は入試でもよく見かけます。
範囲を問う問題であるとか,沖ノ鳥島の護岸工事の写真を載せて,工事の理由を記述させるものであるとか,本当に多いですね。
しかし,この範囲が国際海洋法条約によって変化しており,変化した内容が教科書にも載せられています。
そろそろ変化した内容を公立高校入試でも問われるのではないかと思います。
教科書から引用します。
『新編 新しい社会 公民』(東京書籍)のP170からの引用です。(下線は引用者)
領海の外には,排他的経済水域と大陸棚があります。排他的経済水域や大陸棚では,漁業資源や鉱産資源などを開発し保全する権利が,沿岸国に認められています。
(大陸棚についた欄外の注の記述)
国際法上の大陸棚は,領土沿岸から200海里までの,領海の外にある海底とその地下を指しますが,地形によっては200海里をこえる延長が認められることがあります。
資料として,「外務省ホームページ」より「海洋の国際法秩序と国連海洋法条約」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaiyo/law.html
簡単にまとめると,
「200海里をこえる範囲でも大陸棚がつづいている場合には,一定の条件を満たせ ば,沿岸国が資源を管轄する権利を認められる。」
(中学生向けにもっと簡単に言うと,地形によっては200海里の範囲が拡張され,そこを大陸棚といっているということです。)
したがって,「排他的経済水域と大陸棚」という書き方に変化しているわけです。
背景には,技術の進歩によって,今までは水深が深くて開発が不可能だった海域でも開発が可能となったことがあるようです。
公立入試のレベルでも「大陸棚」については教えていく必要があるでしょう。
また,国立など難関校入試では,日本の「排他的経済水域の範囲」と「大陸棚の範囲」を示した地図を注意して見ておく必要があるかと思います。
さきほどの東京書籍さんの教科書だと,P171にその地図が載っています。
変化した場所の例として,沖ノ鳥島の周囲の排他的経済水域の北側が,昔の地図だとぽっかりと穴が空いたように「公海」になっていたのが,今では「大陸棚」になっています。
では。